昨日の日経新聞に『地方財政が改善 公営企業は暗転』という記事がありました。
『将来負担のない自治体は、14年度に46増えて598市区町村になった』。その一方で、公営企業は『破綻が懸念される債務超過は、13年度の19事業から14年度は215事業へと増えた』と報じています。
公営企業の暗転の方は、いきなり経営が悪化したのではなく、会計基準の変更により実態に近い財務諸表になったのです。これまで実態が見過ごされてきたことが問題だったのです。
では、自治体財政改善の方はどうでしょうか?
記事の中で大阪大学の赤井教授はこう述べています。
「個々の自治体で改善しても地方全体の借金残高は200兆円から減っておらず、マクロでは必ずしも良くなっていない」
景気が良くなり税収が増えているのに自治体の借金は減っていないのはなぜでしょうか?
それは、税収が増えた分だけ地方交付税が削られるからです。
もう一つの問題点は、本来は交付税として地方へ渡すべきお金を、国にお金がないものですから、地方に借金をさせて財政を賄わせているのです。
これを臨時財政対策債といいます。
本来、国が出すべきお金ですから、地方はこれを借金だとは思っていません。しかし、実態はやはり借金です。
赤井教授が指摘する「地方全体の借金残高は減っていない」というカラクリがここで理解できるのです。
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