日別アーカイブ: 2008年12月6日

裁判員制度は大変!だからこそ(第231回)

裁判員制度のスタートが近づくにつれ反対の声があがって来た。
書店には反対する内容の書籍も並ぶようになってきた。
賛成派も反対派も今の裁判を何とかしなければならないという認識では一致しているように思える。
そこで、賛成派は「現状を打破するために裁判員制度を実施すべし」と言い、反対派は「現状打破は裁判員制度でなくてもできる」と主張する。
また、裁判員制度は国民への負担が大きいという認識でも一致しているように思える。
これを制度の改善で解決を図ろうとするのが賛成派、負担が大きいからやめるべきとするのが反対派という構図のように見える。
私は、「民主主義というのは国のあり方や地域のあり方に国民が関わるべきもの」と思っているので、裁判という重要な制度に一般国民が関与することは当然だと思う。
世界を見渡しても、日本のいまの制度のように一般国民が関わらない、いわゆるプロ任せの国の方が少数派であり、中にはスウェーデンのように1000年も前から導入している国すらある。
国情が違うという議論もあるが、裁判に一般国民が関わっている国のなかで、その制度をやめようという国がない という事実は認識しておく必要があるだろう。
なるほど負担は大きい。苦労の伴う制度である。細部まで詰められていない思いはある。
しかし、それを乗り越えることが他国にできて日本だけできないということはないのではないか。
マイナス面をどれだけ減らせるか、知恵を絞っていかなければならないと思うのである。