日別アーカイブ: 2008年5月19日

ふじみ野市のプール事故問題(第205号)

『ふじみ野市大井プール事故調査報告書』を読んでいたら眠れなくなってしまった。
わが子を失ったご両親とりわけ母親の心中を思えば言葉もない。
お嬢様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
いま二つのことが脳裏を占めている。
一つは、樋口晴彦氏が著書『「まずい!!」学 組織はこうしてウソをつく』の中で述べているプール管理委託業者についてである。
事実、先の事故報告書を読んでみると、たとえば平成10年度以降では、12年度だけが(株)サンアメニティなのだが、あとはすべて太陽管財なのである。
樋口氏によれば、吸水口の防護柵がボルトではなく針金で固定されていることを(株)サンアメニティが指摘をし、それを疎ましく思った市が同社を指名からはずした可能性があるという。
その後、実は初公判の中で防護柵の針金による固定は町の職員(当時は大井町)の指示だったことが明らかにされている。
したがって、それをサンアメニティが指摘したとすると職員にとってはうるさい業者という認識になっても不思議はない。
またそうでなくとも、同じ業者がずっと続けていれば管理業務のマンネリも避けられないだろう。
サンアメニティがその後どういう扱いを受けたのか、本当の所を知りたいと思う。
第二に、有田一彦氏が指摘しているプールの構造自体の問題である。
実際、吸水口の写真を見ると出水口の写真にあるような固定された防護柵がなく、口がぱっくり開いている。
これについてはプールそのものが壊されるとのことであり、そういう意図はないのだろうが、何となく思い出したくない記憶はすべて消してしまおうといった意志を感じてしまうのである。