東北地方太平洋沖地震」カテゴリーアーカイブ

湯ノ岳断層その後

東日本大震災直後の4月11日、最大震度6弱の余震が福島県いわき市を襲いました。その震源のひとつが湯ノ岳断層です。
この断層により、スパリゾートハワイアンズは長期休業に、いわきゴルフクラブは廃業に追い込まれました。
このほど当地のK寺院のご厚意で周辺の状況を調査させていただきました。
断層は寺院敷地の西側が最大1.3メートル低下。参道石段を登ったところにあった山門は、屋根の部分だけでも7トンの重さがあり、山門支柱の半分にそれだけの荷重がかかり倒壊しました。
現在は、山門も本堂も地盤変状の無かった部分へ移築中であり、それに合わせて参道石段についても上部の付け替えが行われていました。
寺院敷地内の枝垂桜など特徴ある樹木は全て移稙されていましたが、参道部分の樹木からは地盤変状直後の写真によって断層のずれた箇所が確認できました。
現地調査にご協力いただきましたご住職、ご住職夫人ならびに国兼ホーム様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

国土地理院との協定締結

本日、8月30日、千葉県と国土地理院との間で『地理空間情報の活用促進のための協力に関する協定』を締結しました。
これは、昨年11月28日の12月議会において私が提案したものでした。
次のような質問です。
『東日本大震災においては、石巻市牡鹿基準点で東南東方向に5.3メートル、上下方向では1.2メートルの沈下が観測されました。しかも、地震発生後も東北地方から関東地方にかけて今なお東向きの地殻変動が継続しており、基準点のある本県銚子市でも17センチメートルの移動が確認されています。(略)まさに地殻の変動、地形の変化、変位を伴う巨大災害を想定して災害対策を講じなければならなくなりました。そうであれば、我が国では最も地形・地理情報を所有している国土地理院との情報連携を欠かすことはできません。(略)
 そこで、国土地理院との協定を千葉県としてぜひ進めていただきたいと思いますが、県の御見解をお伺いいたします。』
この質問から9か月。担当者が大変なご苦労をされたことと思います。心から敬意を表します。
今後もさまざまな観点から県民の命と財産を守る政策の推進に頑張ってまいります。

衛星「だいち」から分かったこと

『日本火山の会』代表のTさんから、京都大学の研究チームが、東日本大震災に伴い秋田駒ヶ岳、栗駒山、蔵王、吾妻山、那須岳が局地的に5センチから15センチほど沈降していることを発見したことを教えていただきました。
詳細はわかりませんが、南北300キロに渡る東北地方の背骨をなす山岳のうち、火山のみが沈降しているとなると、地下深くのマグマが活発化したのではないかというのが、素人としての見立てです。
ただし、一つの山岳であっても実に巨大です。5センチから15センチの沈降というのは、小さな岩の欠片一つ分ほどのものですから、「15センチ沈降したと言われてもなあ」というのが正直な気持ちです。
それと同時に、こうした微細な変化を割り出してしまう人工衛星「だいち」の存在、「だいち」に搭載されたレーダーやGPS機能の凄さには驚くばかりです。
火山は、噴火直前には地下のマグマだまりにマグマの貫入が見られ、山の体積が増える、すなわち山が膨らみます。それが逆に沈降したというのですから地球の不思議さはまだまだ人類の手におえるものではありませんね。

人はエネルギーの塊

ぼうさい朝市ネットワークの藤村望洋氏のお話を伺いました。関西弁でユーモアをびしびし利かせながらのお話で、時間があっという間に過ぎてしまいました。
「商店街が衰退するのは当り前。両親が儲からないとか大変だとか愚痴っていたら、子どもが店を継ぐはずがない。カラ元気でもいい、嘘でもいいから商売は面白い、サラリーマンなんてつまらない、と子どもに言わなきゃだめ。そうすれば何割かの子どもは間違えて店を継ぐようになる。こういう間違いが大事。人生は間違えるから面白い。」
藤村さんは、お話の面白さもさることながら、何と言ってもあまりにエネルギッシュなのに驚かされました。
結局のところ、被災地からの復興というゼロからのスタートでは、人のエネルギーを活用するしかありません。
藤村さんのようなエネルギーの塊 のような人が、周囲の人のやる気を引き出すのだということをあらてめて実感しました。

電源喪失は津波?

今朝の毎日、日経新聞に注目すべき記事がありました。『「非常用電源 津波で喪失」東電福島原発データ解析』、『津波到達時のデータを発見』です。
記事によれば、『東京電力は10日、福島第1原発事故で、これまでないとしてきた津波到達時の非常用ディーゼル発電機の作動状況を示すデータが見つかったと発表した。』(日経新聞)。
国会事故調査委員会の報告は、津波ではなく地震動によって電源喪失としていましたが、実は非常用発電機が停止したのは午後3時36~37分であり、津波到達時刻と一致しているというわけです。
これが事実だとすると、国会事故調の指摘は誤りということになります。
しかし、ここで注意深く見ておかなければならないことは、実際の地震動は東電の想定していた地震動を上回っていたことです。
東西方向の最大加速度は、第2号機で550ガル、3号機で507ガル、5号機で548ガルでした。それぞれ東電が想定していた最大加速度よりも25.57%、14.97%、21.24%上回っています。
つまり、耐震設計上想定していないほど大きな地震動ではあったが、非常用電源はちゃんと起動したということになります。
すると、何のことはない、電源喪失という点でも単に大きな幸運に恵まれてたまたま免れたという話だったのですね。