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軽減税率理想論

現在、自民、公明の両党間で消費税の軽減税率について議論が重ねられています。
主要な論点の一つは、軽減税率の対象範囲をどうするかということです。
対象範囲を広くして痛税感をやわらげ、低所得の人の暮らしを何としても守りたい。ところが、対象を拡大すればするほど、社会保障への財源が減ってしまいます。さらに、それだけではなく地方への財源も減ってしまうのです。
消費税10%のうち2.2%は地方財源になりますので、消費税収全体が減れば地方財源が減ってしまうのです。
そこで、望ましい消費税の在り方としては、まず可能な限り軽減税率の対象範囲を拡大する。
そして、そのうえで地方財源の不足分については交付税措置をするという2本建てになります。
「虫がいい」という批判があるかもしれませんが、そんなことはありません。これまでの国の手法に比べれば実にささやかな要求です。
臨時財政対策債の恒久化一つ見てもそれは明らかでしょう。

新会計基準によれば

平成26年度決算から公営企業会計は新しい会計基準になりました。
何がどれくらい変わったのか病院事業会計をもとに見てみたいと思います。
まず、これまで「資本」だった補助金などが「負債」である長期前受金に移り、約207億円の皆増です。
借入資本金の約248億円が「資本」ではなくなり皆減です。
その一方で、今回の大きな変更点だった引当金の計上については、約9億円ほどの増額です。
これは1年前に約12億2390万円を皆増で計上していましたのでこの程度でした。
以上のことから、病院会計の負債は60億4323万6145円から339億305万274円へと跳ね上がりました。
資産は497億9614万5263円ですので債務超過ではありませんが、新基準はより実態に近い数字を見せてくれたと思います。
公営企業ですから単に利益をあげればよいものでもありませんが、これ以上累積欠損を膨らませないよう真剣に経営の健全化に取り組まねばなりません。

「130万円の壁」の解消のみでは片手落ち

今朝の朝日新聞に経済財政諮問会議の小さな記事がありました。
『主婦らのパート収入が130万円を超えると、年金や健康保険の保険料を納めないといけなくなる「130万円の壁」の解消を』民間議員が提案したというのです。税制には、配偶者控除が受けられなくなる、もう一つの「103万円の壁」もあります。
わが国は人口減少で働き手がどんどん減っていますので、「壁」を無くして主婦にも働いてもらおうという発想です。
しかし、労働力不足を税制だけで解決しようというのは無理があります。家事、育児、介護が女性中心に行われているままで、そのうえさらに働いて下さいというのですから。
日本社会の働き方そのものを見直さなければ、少子化に歯止めはかからず、結局移民に来ていただくしかないということになります。
単に、「103万円の壁」「130万円の壁」をなくせば、単に家計の税負担が増えるだけです。すると今度は個人消費の低迷が新たな問題となってしまいます。

気になる税制改正の「部分」

財産債務調書20代のころ、高所得層が日本全体の何割の資産を所有しているのかという計算をしたことがありました。
当時のデータでは割り出しが難しく、仮定に仮定を重ねながらざっくりとした数字を出していました。
ところが、今年度の税制改正において、富裕層に『財産債務調書』の提出を求めるというのですから、時代の変化を感じずにはいられません。
対象者は、(正確ではありませんが)総所得が2千万円を超え、かつ財産が3億円以上の方だそうです。
これまでは、こういうことをすれば富裕層は海外へ逃げてしまうですとか、政治がそういうことをやらせるはずがないと言われてきました。
それを考えれば、この措置は義務ではないにしても対象の方にとっては心穏やかではないでしょう。
この先は提出の義務付けなど、次の措置への流れが推察されます。
いよいよ財政再建に向けて、国も本腰を入れ始めたという「公の宣言」とみるべきなのでしょうか。

千葉県の基金一括運用

今朝の日経新聞に『30基金 運用一元的に』『千葉県、機動性を確保』という記事が出ていました。
私の昨年12月議会で提案した内容に沿ったもので、これで県民の皆様からお預かりした「公金」の効率的な運用が図られます。多少なりとも県民サービス向上に貢献できたかなと思っています。
記事には『国債に比べ利率の高い地方債なども現在の約13%から15%超に増やす方針だ』とされています。これも私の主張に沿ったものです。
しかし、もちろん課題もまだ二つ残されていると思っています。
その一つは歳計現金の扱いであり、二つには債権の入れ替えです。
本年6月議会で提案しましたが、手持ちの債券をより有利なものに入れ替えるという至極当然のことにぜひ踏み込んでほしいのです。
地方債を増やす方針ならリスクなくそれが可能になります。
各金融機関と良好な関係を保ちながら金融情報を収集し、ぜひそこまでは実施してほしいと思っています。