交通問題」カテゴリーアーカイブ

ストロー効果仮説

ある県民の方から「アクアラインで通勤しているが800円で助かっている」という声をいただきました。
『ストロー効果(ストローこうか)』という言葉があります。ウィキペディアによれば、「交通網の開通により都市が発展したり衰退したりすることを指す」とあります。
アクラライン限らず、たとえば本州と四国を結ぶ橋梁ができたり、都市と都市を結ぶ鉄道や道路が開通すると多かれ少なかれ「ストロー効果」が発生することと思います。
実際、秋田新幹線の開通により仙台市が栄え秋田市が衰退した、特急が走るようになって長崎市民は福岡市にショッピングに出かけてしまうという話をよく聞きます。
では、A市とB市とが交通網によって結ばれたとき、どういう条件によってどちらが吸われえる側と吸う側に分かれるのでしょうか。
A市とB市のどちらが相対的に魅力的かというのはもちろん第一の条件でしょう。アクアラインも木更津にアウトレットパークができたことは非常に大きかったと思います。
仮に、木更津が相対的に魅力あるショッピングモールを持っているとすれば木更津が吸う側ということになります。
その一方で、本来3000円だったアクアラインの普通車通行料金は現在800円です。これが本来の料金に戻れば、川崎から木更津へという流れは減少することは容易に推察されます。
つまり、A市とB市を結ぶ交通料金がある程度以下ならば相対的に魅力のある側へ移動する、交通料金がある程度以上高いと、相対的に高いと感じない住民が多い側がより移動するという仮説が成り立ちます。
そういう視点で見ると、単純に魅力があるから吸う側になるとも限らず、実は移動困難者が多いから結果的に吸う側になっていたということも考えられそうです。
アクアラインがそういう構図ではないのでしょうが、全国の地方都市を見渡せば、実は移動困難だからそこそこ栄えているという街がありそうな気がします。
ストロー効果も研究していくと相当奥が深そうです。こういう研究をしている人がいるものでしょうか?

誰かが嘘をついている

『原発大国フランスからの警告』山口昌子著(ワニブックス「PLUS」新書)を読んでいて、「あれっ」と思った記述がありました。
それは、1995年の阪神淡路大震災に際してのフランスの救助犬派遣申し出についての記述です。
私の認識として、いち早くヨーロッパが救助犬の派遣を申し出たのに日本政府がそれを断ったということ(その後に村山首相が現地へ行ったのがあまりに遅かったので「犬より遅い村山総理」と揶揄された)が記憶に残っています。
では、何故、せっかくのフランスの申し出を断ったのでしょうか?
それについて、当時自治大臣だった野中広務氏は次の発言をしていることで、私は了解しています。

『スイス犬が海外からやってくるという話も弱った。犬一頭にドイツ語とフランス語の通訳をつけてくれと。おまけにお犬様と通訳が泊まるところをつくれ、でしょ。人間がちゃんと寝るところさえなくて、あの寒い中をテントで皆寝ているのにだよ。しかし、どうして海外からの援助を受け入れないのかというマスコミからの集中砲火と国民の世論の批判を浴びて、五頭だけ受けいれはしました。』(『差別と日本人』野中広務・辛淑玉著・角川ONEテーマ21新書)

野中氏の発言は、『お犬様』といった救助犬に対する偏見めいた発言もありますが、それよりもどうも腑に落ちない内容です。地震という異常な状況下にあって、スイスの救援隊が本当に通訳とか宿舎の要請をしたのでしょうか?私にはどうも不自然に思えるのです。

先の『原発大国フランスからの警告』にはこういう記述があります。

『フランス側は「救援隊に通訳は無用だ。宿舎など用意する必要もない。われわれは被災地に行くのだ。観光に行くわけではない。どんな環境、状況にも耐えられる訓練をしている。犬も同様だ」と日本当局を説得して、やっと入国が許可された経緯がある。』

スイス犬とフレンチ・ドッグの違いがあるものの、私にはフランス側の発言の方が正しいように思えてなりません。
言うまでもなく、救助犬は今ではごく普通に世界各地で活躍しています。実際、チリでもペルーでもアルジェリアでもヨーロッパから救助犬が派遣されました。
もし、野中発言が正しいとすれば、これほどの活躍ができるはずがありません。大災害のときに通訳を出せ宿舎を用意せよと言われれば、日本でなくともどんな国であっても受け入れ自体が不可能です。
したがって、野中氏の発言はどうも信じられませんし、もっと言うと、私はむしろ野中氏が嘘をついているというよりも野中氏に情報をあげた何者か(あるいは集団)がどうも怪しいと思っています。

3・3・7号線に関連した事故の懸念

昨日、松戸市道づくり課の方から連絡があり、3・3・7号線開通間近と伺いました。9月28日が開通予定だそうです。
幸谷の坂の上は、連日工事渋滞で我が家のすぐ前まで車が連なっています。渋滞といっても都内の幹線とは程度が違いますが、工事関係者も猛暑の中で大変なことでしょう。
さて、車の渋滞が常態になると、運転者は必ず抜け道を探します。この場合は、清志町から新松戸1丁目か新松戸東へ抜けるルートとなります。
新松戸東へ抜けるルートは、マツモトキヨシ本社ビルの脇で3・3・7号に出ることになります。
この3・3・7号線の飛び出す交差点部分が非常に危険なのです。
逆に3・3・7号線からこの脇道へ入ってくる車がかなり多くて、スピードが乗った状態で入ってくるのです。事故が起きなければよいと本当に思います。
工事はいずれ終わります。問題は、工事が終わったとしても運転者はこのマツモトキヨシ本社ビル脇の道を使うのではないかという懸念です。
幸谷の坂上で3・3・7号線と交差する部分に右折ラインがない以上、おそらく坂上はある程度渋滞せざるを得ないでしょう。
すると新松戸東の事故が増えるのでは・・・と心配になるのです。

都市計画道路3・3・7号線の夏

いよいよ都市計画道路3・3・7号線の開通が間近かに迫ってきました。
国道6号線から一本で新松戸駅方面に抜けることができる道路であり、広域で見れば埼玉の三郷インターから、市川の原木インターをつなぎ、松戸市を南北に貫く大動脈とも言えます。
今日、その工事中の道路の脇を歩いてみましたが、少々気になる点がありました。
写真にあるように都市計画道路部分(すでに舗装されています)は道路幅員が広いのですが、松戸市道に変わるところ(写真では未舗装部分)から道路がぐっと狭くなります。
もちろん、狭くなる理由もわかってはいるのですが、やはり心配なのは『交通事故』の発生と『渋滞』の発生です。
渋滞の方は、八ヶ崎地先から北部市場の交差点も含めてずっと車線を絞っておけば、道路が狭くなったとしても車線自体は減るわけではありませんので、都計道と市道の境目付近で多少の渋滞が出る程度で済みそうです。
それでも付近の人たちからは排気ガスの苦情はありそうですが。
(むしろ渋滞しそうなのは、北小金駅方面から新松戸方面に向かう旧道の方でしょう。私の住む清志町の坂の下までの渋滞が恒常化するかもしれません)
一番大きな懸念材料は交通事故の方です。
ちょうどカーブがきつくなったところで道路が狭くなりますので、6号線から新松戸方面へ向かう車は要注意です。手前で十分にスピードを落とさせる工夫が必要です。
この道路の開通に当たっては、本当に様々なことがありました。何が正解なのか、答えのない問題だったとも言えます。
しかし、それでも少なくとも開通することによって生活道路に入り込む車は減ることでしょう。
したがって、これまで自宅近所で危ない思いをしていた子どもたちの安全についてはかなり確保されることになります。
この一点だけでも3・3・7号線の開通を喜びたいと思います。

TPPの話題消える

政治に関する報道は、消費税の記事がない日がない一方で、TPPについてはまるで消えてしまいました。
ここで忘れてはならないのは、やはりお隣の韓国の状況です。
韓国は4月11日に総選挙が行われますが、米韓自由貿易協定の廃止が最大の争点だと思われます。
韓国は、この自由貿易協定によりコメを除くほとんどの農産物の関税を段階的に廃止することになっています。当然韓国農業は大打撃を受けると思われますが、それよりも経済的メリットが大きいという判断で与党は協定を結んだはずです。
一方、野党各党は関税撤廃の見直しを総選挙で訴えておりますのでまさに今度の韓国総選挙の行方はわが国のTPP参加不参加に大きな影響をもたらします。
私はもう少しそうした報道があってしかるべきと思うのですがいかがなものでしょうか?
お隣の国の総選挙で、しかも争点が自由貿易協定です。にもかかわらず、相変わらずの国内問題ばかりがニュースになるというのは、ある意味で日本の危機のような気がします。
グローバル化の波に立ち向かっていかねばならない時代だという認識が薄いということが本当に心配でなりません。