防災」カテゴリーアーカイブ

土砂崩れから逃れるために

磯田道史著「天災から日本史を読みなおす」(中公新書)を読み終えました。一人でも多くの方に読んでいただきたい一書だと思いました。
「土砂崩れから逃れるために」という項にこう書かれています。
『明るいうちに早めに安全そうな場所に避難するのが一番だ。(略)逃げられない場合は生存率の高い二階にあがったほうがいい。』
確かに、土砂災害現場では、一階はなくなってしまって、無傷に近い2階が、あたかも1階のように見えることがあります。土砂崩れにおいては、1階の高さでは助からないと考えねばなりません。
一方、木造家屋は破壊されてしまいますが、鉄筋コンクリート住宅はかなりもっています。
従って、第一に鉄筋の建物に逃げること、それが無理なら鉄筋の建物裏の、山と反対の側に逃げること、それらが無理なときは木造家屋の2階へ逃げることと考えるべきでしょう。
まだまだ台風シーズンは続きます。災害対応は、家族や近隣の人たちと話し合っておきたいものです。

土砂災害への備え

関西大学の河田恵昭社会安全研究センター長によれば、土砂災害は「徹頭徹尾、自助努力」が大事で「自宅が土砂災害特別警戒区域や警戒区域に入っているかどうかを知っておく必要がある」とのことです。
土砂災害が起こるときというのは大雨ですから避難するのも大変です。
また、広島の例では小やみになってから土石流が発生していますので、必ずしも降雨のピーク時に発生するとも限りません。
私のお薦めは『どしゃブルJr』というスマホアプリです。
「どしゃブル雨量指数」という土砂災害の危険度を知らせてくれるアプリですが、現在は試験中なので無料で利用することができます。
気象庁の『土砂災害警戒メッシュ判定情報』の精度の物足りなさに比べてかなり有効だと思います。
松戸市内にも特別警戒区域はありますので、念のためダウンロードしておくとよいかと思います。

風化させるな東日本大震災

千葉県議会地震津波対策議員連盟において、東日本大震災その後をテーマにしたドキュメンタリー映画「一陽来復 Life Goes On」の試写会が行われました。
監督のユンミアさんは「ドキュメンタリー映画なのでストーリーを作らず淡々と撮影した」とおっしゃっておられましたが、非常に感動的な映画でした。
被災者の方々の震災後6年間の人生、そしてお一人お一人の味わい深い言葉など東北3県の美しい映像も含め、一人でも多くの方に見ていただきたい映画できした。(DVDも販売されるそうです)
生きたいと思う心を忘れないこと、震災を風化させないことが、被災県でもある千葉県の責務だと思いました。

東京東部水害想定のインパクト

新聞各紙が東京東部の水害想定を報じました。
今日の千葉日報は『250万人 広域避難へ』『千葉など隣県に』と伝えています。
実は、私は、昨年6月議会ですでにこの問題を質しています。
「次に、視点を変えまして、千葉県の外から見た防災についてお伺いいたします。
 隣接する東京都は、広範囲なゼロメートル地帯を抱えています。そして、ゼロメートル地帯では365日、24時間休みなくポンプを回して水をくみ出しています。現在はトランスなどが地上に置かれたり、地下に電気施設がありますので、万一それらが水没するようなことがあれば、当然電気をとめねばなりません。結果として長期間の停電となり、避難生活も長期にわたることと思います。(略)このように、仮にも東京都民の方々が相当数本県に長期間避難してきた場合、本県はどのような対応を考えているのでしょうか。」
知事答弁は「情報収集に努めてまいります」でしたので、やはり検討していないのだと思いました。
今回の250万人避難という途方もない人数は、全国レベルでの災害協定の締結が必要です。
そのうえで、これは行政だけでも対応できないことを私たちが深く理解し、行政、企業・団体そして国民の「力の結集で国難を乗り越える」絶好の機会と捉えるべきだと思うのです。

危険なブロック塀の撤去を

8月21日に公明党松戸市議団とともに松戸市長に対し、「危険ブロック塀の撤去費用助成」について申入れを行いました。
6月18日の大阪北部地震において高槻市の小学生が亡くなるという大変痛ましい事故が起りました。
公明党松戸市議団は、その日のうちに市長、教育長に市内通学路の緊急点検を要請しました。その結果、松戸市においても危険なブロック塀があることが判明し、市長は撤去費用の助成を決断しました。この撤去費用助成も、実は公明党が6年前から訴えていたことでした。
とは言え、撤去をするのはあくまで市民の皆様です。たとえ制度ができても活用されなければ、子どもたちの安全にはつながりません。
そこで、市民の皆様が利用しやすい制度(例えば所得制限・撤去費用の上限撤廃など)にして、現実に撤去が進むように申入れを行ったのです。
公明党は、提案するだけではなく、現実の安全安心につながるようこれからも努力を続けてまいります。