防災」カテゴリーアーカイブ

危ない橋、危ないトンネル

20160515平賀橋九州熊本地震でも阿蘇大橋が落橋しましたが、地震とは関係なく修繕が必要とされている橋梁やトンネルが全国には約3500あります。
これら橋梁やトンネルの多さの都道府県別ランキングを作ってみました。
すると、すぐに目につく特徴は余りに数に差がありすぎることです。
トンネルでは最も多い県が56本に対して、全くない都道府県が25。橋梁にいたっては茨城県が0なのに対して最も多い県が419です。
わが千葉県は、これまで危ない橋などのインフラ修繕に力を入れてきました。
その結果、茨城県、沖縄県に次いで第3位の少なさです。
人の移動が当たり前の時代、どこで災害が起こるかわからない時代です。全国あげての対策こそ急務です。

活断層の評価

20160507熊本地震記事 (360x640)今日の公明新聞『熊本地震 どう見るか』(東大地震研・平田直教授のインタビュー記事)は非常に重要な内容でした。
政府の地震調査委員会では布田川・日奈久断層帯の「今後30年以内の地震発生確率」をそれぞれ「ほぼ0%-0.9%」「ほぼ0%-6%」としていました。ちなみに兵庫県南部地震の野島断層は「0.4%-8%」でした。
記事によれば、活断層では地震が繰り返されるとは言え、その間隔は『8100年から2万6000年の間(略)という世界なので「30年以内」に置き換えると確率は非常に低くなる』という訳です。
さて、千葉周辺では、まず「鴨川低地断層帯」ですが存在そのものがあやふやです。その他には「立川断層帯」が「0.5%-2%」、「深谷断層帯」が「ほぼ0%-0.1%」、「綾瀬川断層帯」が「ほぼ0%」、そして6つの細かな断層「三浦半島断層群」が「ほぼ0%-3%」とされています。
地震国に住んでいる以上、むやみに心配しても仕方がありません。ただし備えだけは確実に必要です。

自然は複雑怪奇

日建設計の鳥居信吾氏に各地の地震動応答スペクトルを見せていただきました。
グラフの意味するところは、まさに驚くことばかりでした。
例えば、3・11の激震地における地震動の強さをみると、仙台市青葉区と仙台市宮城野区ではまるで異なる波形です。
確かに、青葉区は震度6弱、宮城野区は震度6強という違いはありましたが、青葉区が100cm/secにすべて収まっているのに対して、宮城野区では部分的とは言え250cm/secを超えています。
もっとびっくりしたのは、千代田区の日建東京ビルでは震度5強、大阪市の湾岸地域では震度3を観測しましたが、震源から遠くかつ震度の小さかった大阪の方が250メートル級のビルでは地震動が強かったという結果です。
まったくもって自然界は複雑怪奇というほかありません。

活断層のこと

20160420毎日今朝の毎日新聞は『阿蘇カルデラ内 布田川断層確認』と報じました。
記事によれば、中田高・広島大名誉教授らが『(布田川)断層帯が、カルデラの中まで延びているのが確認されたのは初めて。』とされています。
活断層については、1980年ごろから列島の地図上、航空写真上で示されていますが、それがまだまだ研究途上のものであることを再確認させられました。
実際、2011年のいわき市の事例では井戸澤断層や湯ノ岳断層の延長線上が被害にあいました。
動くのは断層に限りませんが、少なくとも断層の延長線上は動く可能性があることを十分明記したいと思います。

水門を24時間監視

千葉港千葉県は、この4月から千葉港湾事務所管内10か所の水位を遠隔で監視できる「千葉港水門ネットワーク」を整備することになりました。
5年前の3・11の際に県は水門を閉めることができませんでした。
もちろん水門を閉めろという指示は出しましたが電話がつながりませんでした。
そこで係員が車で飛び出しましたが、渋滞等により駆け付けることができませんでした。
私たち公明党県議団は、水門閉鎖システムの改良をすぐに要望し、その結果、遠隔で閉鎖する改修工事がなされました。
今度は水位の監視がシステム化されます。
現実問題としては、地震により水門自体が破壊される恐れはあります。電気系統や通信系統の不具合も発生するかもしれません。
しかし、今できる最善のことを積み重ねることが県民の安全安心につながると考えています。