防災」カテゴリーアーカイブ

「危ないトンネル・橋」その後

20151225%e3%83%88%e3%83%b3%e3%83%8d%e3%83%ab%e4%ba%8b%e6%95%85車でトンネルを通り抜けるときに、さっとトンネル名を見てしまいます。橋は見ることができませんが、可能なら必ず見ます。
つい最近、通ったトンネル名と老朽化して危険が指摘されたトンネル名とが一致すると、やはりいい気持ちはしません。
平成24年12月に笹子トンネルで天井板落下事故があり、道路法改正等を経て26年7月に改正省令施行となり、5年に1度の近接目視による全橋全トンネル点検が開始されました。
とは言え、千葉県管理の橋梁だけで844、松戸市管理は91もあります。
松戸市では、すべての橋梁について長寿命化修繕計画の策定を終えましたが、千葉県は昨年4月1日現在で9割強です。
しかし、計画の策定が終っていても実際に修繕がなされなければ意味がありません。そして、千葉県の修繕実施率はまだ15%ほどです。
限られた予算のなかではありますが、早期100%実施へ、予算確保を訴えてまいりたいと思います。

東日本大震災から5年

dsc_8135東北地方太平洋沖地震から5年。
千葉県の災害対策がどこまで進んだのか、いまだ解決されない課題は何か、9月議会で質しました。
その結果、以下のことが分かりました。

・防災専任職員がいない県内市町村が11団体。
・災害時業務継続計画が策定されていない市町村が32団体。
・支援物資の集積拠点が地域防災計画に定められていない市町村が9団体。
・津波避難計画が策定されていない市町村が13団体。
・避難行動要支援者名簿が作成されていない市町村が14団体。
・要支援者の個別支援計画が策定されていない市町村が45団体。
・非常用電源の転倒防止策がなされていない消防本部が1本部。
・災害拠点病院の耐震化率が85.7%。
・災害拠点病院22のうち災害対策マニュアルが未策定なのが1病院。
・災害拠点病院22のうち医療継続計画が策定されていないのが17病院。

平時に準備しておかねばならないことが山積しています。

57年前の明日、伊勢湾台風上陸

20150525%e6%b2%b3%e5%b7%9d明日9月26日は伊勢湾台風が潮岬に上陸した日です。1959年のことでした。
伊勢湾台風は本当に多くの犠牲者を出してしまいました。最も多くの犠牲者を出したのが、名古屋市南区で1417人。そして、長島町381人、港区375人、木曽岬村328人、弥冨町322人と続きます。その一方で、犠牲者を出していない自治体もありました。
この差がどこにあるのかは一概には言えません。
そもそも人口がまったく違いますし、自治体の位置や地形、風雨の激しさの変化もあります。
ただ、岐阜大学の吉野純准教授は避難命令の発令時刻にも注目していました。
たとえば、発令時刻が判明してる14自治体のうち、半数以上の9団体は18時50分以降の発令です。
ところが、美浜町13時、楠町・内海町15時、半田市16時、碧南市16時30分です。
それぞれ犠牲となった方は、4人、0人、1人、290人、12人です。
発令が早ければ犠牲者が少なくなるのは容易に推察できます。
ただ、明確に言えることは、18時50分以降といった暗くなってからの発令は疑問ということです。
当時のこの教訓が、はたして現代のわれわれに活かされているのでしょうか。

雲レーダーとは

20150926%e3%83%96%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%91%e3%83%ab%e3%82%b9%e9%9b%b2最近、『極端気象』という言葉が使われ始めました。
「ゲリラ豪雨」「竜巻」「降雹」「落雷」が増えているような気がしますが、これらは発達した積乱雲が原因です。
そこで、局所的に急速に発達する積乱雲をいかに早く捉えるかという研究が進められ、『雲レーダー』が登場しました。
これまでのレーダーでは発達の早い段階の積乱雲は観測できませんでしたが、高感度の雲レーダーは降雨前からの観測ができます。
その『雲レーダー』が県立矢切特別支援学校の屋上に設置され、来年3月から観測が始まるというのです。
新しいタイプの災害に対して、少しでも私たちの安全安心につながればと思います。
(写真はブルーインパルスのつくる雲です)
ただ、竜巻については、平均寿命が10分程度であるため予測は現時点ではできません。

中央省庁の地方移転

世界の地震図 (1)新聞各紙は、省庁の地方移転を報じています。文化庁は京都に、消費者庁は徳島に、総務省は和歌山にそれぞれ機能の一部を移転するとのことです。
当初の掛け声からはあまりに尻すぼみとも言えますし、大多数の人からすれば想定通りなのかもしれません。
私は「中央省庁の地方移転」という方針に対し、「千葉県に農林水産省を」と主張しました。県の回答は「千葉県は移転先の対象外」というものでした。そんなことは言われなくとも分かっているのです。国が言っていることには決して逆らわないという県の姿勢にがっかりしたのでした。
私は、平成16年6月議会で文化振興の面から東京一極集中を批判しました。しかし、文化は一例であって、本当は国の存亡に関わる災害対策の面から議論しなければならない重大課題です。
首都圏に数十年以内に大規模地震があるということは「国」が指摘しているのです。そうであれば「首都移転」こそ議論を復活させねばなりません。ところが、行政のごくごく一部機能の移転でお茶を濁すとのこと。
首都直下地震に切迫感が感じられないのはこんなところに一因があるのかもしれません。