交通問題」カテゴリーアーカイブ

放射線の安全性・危険性

大原先生にお話を伺った市町村会館

松戸市を含め県北各市の放射線量が公表されました。
また、松戸市は学校のプールでの測定も始めますので、市民に対する情報公開という面では前進したと思います。
問題は公表された放射線量が安全かどうかが結局のところよくわからないということです。
実は、放射線量と健康についての調査は広島、長崎に投下された原子爆弾の調査くらいしかありません。
あとはどの程度公表されているかわかりませんが、スリーマイルとチェルノブイリの両事故でしょうか。
そうしたなかで、5月27日に福島県は全県民200万人を対象にした健康調査を実施する方針を決めたといいます。
ネット上では、これについて県民からは反発の声が上がりました。「我々はモルモットではない」と。
土浦協同病院の大原先生によれば、仮にがんの発生率を調べるとして、CT検査をすると結果的に検査のための放射線量の方が受けている放射線量よりも大きくなってしまう矛盾が生じると言います。
かと言って、血液や尿の検査で放射性物質の健康への影響を調べることができるのか疑問です。
しかも、外部被ばくについてはともかく、内部被ばくについては実はほとんどわかっていないという現実もあります。
福島県の健康調査は、実際のところどういう手法で実施するのかわかりませんし、有意なデータなのかもわかりませんが、今後の状況だけは注視していこうと思います。

市民にとっての「安心」とは

2007年に事故を起こした柏崎刈羽原発についての迫真のルポが新潟日報に連載されていたことがあります。
このルポは確か新聞協会賞を受賞したと記憶しています。
内容は、市民にとっての「安心」とは何かについて考えさせられるものでした。

震度6強の地震が発生したものの原子炉の方は想定通り緊急停止しました。関係者一同がほっと胸をなでおろします。
ところが、そのとき外部の変電所が火災を起こします。
原発関係者としては、原子炉が暴走しないことがともかく最重要なことであり、変電所のような単なる火災は大きなことではなかったのです。
極端な話、燃やしてしまっても構わないという程度の認識でした。
ところが、周辺住民にしてみれば原発でもうもうと黒煙が上がっています。
避難すべきかどうか不安が募っています。
この意識の違いは決定的です。
火災発生は10時過ぎだったにもかかわらず、原発側が火災を発表したのが18時ごろでした。
この8時間の遅れがまさに意識の差のような気がしました。

3・11の大震災に際して、松戸市内にあるガスタンクの基礎部分が破損しました。
構造にも何も問題はないということで、ガス会社はいずれ近いうちに修繕することを決めました。
しかし、周辺の住民の皆さんにしてみれば、修繕が必要なほどの破損を目の前にすると本当に安全なのか不安になります。
ガス会社が、破損を確認した段階で周辺の皆さんに「大丈夫です」ときちんとお知らせしていれば問題はなかったのですが、何もアナウンスされていませんでした。
ここに市民の「安心」と事業者の意識の違いがあるのです。
その後、高橋伸之市議の仲立ちでガス会社は説明会を開催し、住民の皆さんに安心していただきましたが、災害時にはこうした「安心」についてのギャップを埋めることも非常に重要なのだと思います。

閉鎖できるか?防潮扉

千葉中央警察署

週刊ダイヤモンド5月14日号に気になる記事が出ていた。
東日本大震災発生時に大阪で津波注意報が発令され32の防潮扉が閉鎖されたという。
ところがその閉鎖に1時間かかったというのである。
多くの防潮扉は人力で4人がかりで閉鎖するという。
すると、当然のように、閉鎖するための人手が被災などで確保できない可能性はないのか?
どこから閉鎖の指示が出て、誰がどういう手順で閉鎖に当たるのか?
そもそも防潮扉の耐震強度は大丈夫か?
何らかの不具合で閉まらなかった場合はどういうことになるのか?など様々な疑問がわいてくる。
さて、わが公明党千葉県本部のある千葉港周辺にも防潮扉が4か所ある。
正式名称は「中央2号横引きゲート」「中央3号横引きゲート」「中央4号(A)(B)横引きゲート」「中央5号横引きゲート」という。
すべて人力で閉鎖し、作動時間は10~25分とされている。
しかし、大阪では1時間かかったのである。本当に30分弱で閉鎖できるのかどうか心配になる。
そして、これらゲートの位置を地図で見てみると、これらゲートの外側、すなわち海側に千葉中央警察署があるのである。
もし本当にゲートが閉鎖される事態になったとしたら中央警察署は・・・・。

放射能汚染水の放出

4月5日付・読売新聞朝刊の『低濃度汚染水 海へ放出』という記事は本当に驚いた。
なぜなら、記事には「4日午後7時過ぎ~(略)~低濃度の汚染水約1万1500トンの海への放出を始めた。」と書かれていたからだ。
「放出を始める」でも「放出する方針」でもなく、「放出を始めた」なのである。
いわゆる「海洋汚染防止条約」、通称「ロンドン条約」の批准は1980年10月のことである。
当時、参議院議員秘書として外務委員会を担当していた私にとっては思い出深い条約である。
低レベルの放射性廃棄物の海洋投棄について外務委員会や科学技術振興対策特別委員会では毎回激しいやり取りが続けられていた。
今回、新聞に報じられた記事内容は、そうした国会での議論がいとも簡単に吹っ飛んでしまう決定である。
ではどうすればよいのか?と言われても確かに選択肢はなかったのかもしれない。
しかし、少なくともこうした国際条約に触れてしまいかねない重大な決定をする以上、関係各国へはもちろん、同じ海を持つ茨城、千葉など関係各県には知らせてしかるべきであろう。
ましてや本県は漁業県であり、海水浴やサーフィンのメッカをもつ観光県である。
そこで、5月19日に開会された千葉県議会環境生活警察常任委員会において私は質問した。
「放射能汚染水の放出について、千葉県への事前のせめて通告はあったのでしょうか?」「ありません」
「放出後、本県に対して陳謝などがあったのでしょうか?」
「あったとは聞いておりません」
「是非厳重抗議をお願いしたい。」

漁業者の方々や観光業など海を生活の糧にしている人たちの怒りを決して忘れてはならないと思うのである。

信号機設置の難しさ

信号機設置要望が多数ある。

予算から見ると、松戸市内でせいぜい年間3機程度しか設置できないにもかかわらず要望数はあまりにも多い。

しかし、ここで述べたいのはそういう難しさではない。

信号機を設置すると必ずそれを回避しようとする自動車の流れができるということである。

たとえば、信号機設置によって、これまで自動車が入ってこなかった住宅地内に車が入ってくるようになる。これまで車が走らなかった狭い路地を走るようになる。

信号機設置当初は間違いなく安全が確保できる。しかし、やがてその信号機を回避するルートを見つける車が出てくる。その車の後をついて新たな車がそのルートを走るようになる。そして、別の思わぬところで危険が増大する。

これは信号機設置だけではなく、信号機の歩車分離化においても見られる現象だ。まったくもって、これでは何のための信号機設置かと思う。

しかし、残念ながら現行法令ではこの問題を防ぐのは非常に難しい。

したがって、信号機設置や歩車分離化においては、その信号を回避できるルートの有無の確認が必要である。そして、将来的にも安全の確保がなされることを確認しなければならない。

さらに、私はかつて(平成19年12月議会)住宅地内の生活道路の速度制限30キロ以下について提案をしたことがあるが、今の法令で可能なのはそのくらいでしかないように思うのである。